「ひとりごと・健康通信」をふりかえって (8) 2019/6/14


もう10年も前から、数人の人に「ひとりごと・健康通信」などというのを書いてきたが、そんな記事を振り返りながら、この10年で健康に対する考えや生活がどう変わってきたか・・書いたものを整理したり、付け加えたりしながら書いています。

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「低カロリーと低栄養」  2011年8月6日

私たちの健康の永遠のテーマである「老化防止・長生き」について、いろいろな情報や報告があります。

「低カロリー食が長生きの秘訣」というのもありますが、年齢が高くなったときには・・

★肥満度を示すBMI(体重÷身長の2乗)は、現在、日本人の40-50歳代の平均は23-24で、理想値は22とされる。しかし、最も長寿なのは24-26ぐらいの人。

というのもあります。
免疫力も衰えるので、少し多めに栄養が必要になるということですので、単なる体重よりも「何の栄養素がどれくらい必要か」が問題になるように、私は思います。

タンパク質としての肉の摂りかたが少ないと、血管の柔軟性がなくなってその疾患が増えるとも聞きます。
それに、年齢とともに筋力・筋肉量が減少し、消化吸収力も衰えるので「若い頃よりも、むしろタンパク質の必要量は多くなる」ということも聴いています。

ですから、私の場合は・・健康に重要なタンパク質やミネラル・ビタミン等の摂取を心がけながら、摂りすぎてしまう恐れのある甘いもの・おいしいもの・・パン・大福・から揚げなどを、お店で時に見送るように注意しています。


99歳で現役医師の日野原重明さんの「低カロリーな食事を心がける」には数年前から注目していましたが、それを裏付けるような(?)・・・お話です。

NHKスペシャル「あなたの寿命は延ばせる~発見!長寿遺伝子~」
老化を遅らせて寿命を延ばす「サーチュイン遺伝子」が、最近にわかに注目を集めています。 これは誰もが持っているもので、動物実験によるとサーチュイン遺伝子の働きを強めることによって寿命が20~30%延びることが確認されたとのこと。 普段は働いていない遺伝子ですが、働かせる簡単な方法も判明しているらしく、今後の研究次第では寿命がさらに延びる可能性も秘められています。

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NHKスペシャル、長寿の元サーチュイン遺伝子は食事制限かレスベラトロールで活性化する。11年6月12日

NHKスペシャルでの長寿達成法は意外に簡単だった。40代?60代の被験者4人での実証実験では30パーセント減らした食事を3?7週間続けただけで、長寿を担っているサーチュイン遺伝子が目覚めて働き始めた。飽食の現代人のサーチュイン遺伝子は殆ど休眠中で、その結果、老化が進行する。しかし、飢餓状態になると目覚め、細胞中のミトコンドリアを活性化させてエネルギー効率を高める。更に、活性酸素の害を防ぎ、免疫力低下、動脈硬化高血糖、惚け、骨粗鬆症、脱毛白髪等の老化症状を防ぎ改善して、美肌と持久力と抗がん作用を高める。

サーチュイン遺伝子は動物の長い飢餓の歴史の中で、飢餓対策として生まれたものだ。その働きは遺伝子の長寿に関わる箇所を選び出して元気づける。100歳以上の元気な老人の調査では、いずれも若い頃から小食でサーチュイン遺伝子の働きが活発だった。これは人類渇望の夢の遺伝子である。更に注目すべきは遺伝子損傷の修復能力で、今、福島で問題になっている放射線被曝への抵抗力も期待できる。

「腹八分は健康長寿のもと」は本当だったようだ。番組では米国の大学で20年ほど飼われている猿集団の比較実験が紹介された。人間での70歳相当の猿二頭での比較では、飽食の猿は毛が抜けシワがより見るからに老いていた。対して食事30%減の猿は毛ツヤは良く、肌も張りがあって元気で若々しかった。更に、脳の断層写真でも萎縮はなく、記憶力も良く、持久力も優れていた。実験では40%減食が一番サーチュイン遺伝子の増加が見られたが、それでは挫折する可能性が高く現実的ではない。臨床実験では、一般では25%減が良いとされていた。

実験結果は私の体験でも納得できる。30代に肺ガンの精密検査を受けた時、医師に血糖値が高いと言われた。結果を知らされる前のアドレナリン過多状態で一過性に高くなったものだが、糖尿の素質があると思ってそれからは減食と運動に気をつけた。

しかし、去年、母との死別後に節制が緩くなり、更に胆石と鼠径ヘルニアの手術を続けて受け、そのストレスをきっかけに血糖値が上昇した。それからは徹底して食事制限をしたので、今は血糖値は正常値近くに落ち着いている。

最近、6月10日金曜から土曜午後まで31時間連続で絵を描いて締め切りに間に合わせたが、疲労はまったく残っていない。番組を見ながら、66歳の今も体力を保てるのは、食事制限でサーチュイン遺伝子が活性化しているからかもしれない、と思った。但し、成長期の子供、妊婦、元々食が細くて栄養不足の老人や女性には減食は適応できない。

減食ではなく薬物でサーチュイン遺伝子を活性化させる方法も紹介していた。薬品名はレスベラトロールで、1939年に北大の高岡道夫氏が有毒なバイケイソウから発見した。動物実験では、長寿、抗炎症、抗癌、血糖降下、放射線障害抑止などの効果が確認されている。殊に、放射性物質に汚染された日本では放射線障害抑止作用は注目されそうだ。減食ができない成長期の子供には二重の朗報だ。

米国では、イタドリから抽出されたレスベラトロールを含有するサプリメントが大ヒットしている。価格は1月分2?3000円ほどだが、日本ではイタドリ由来のレスベラトロールは未承認薬となっている。ちなみに、欧米のイタドリは日本産が観賞用に輸入され、クズと同じように爆発的に野生化して有害植物とされている。身近な食品ではブドウや葡萄酒に少量含まれている。含有サプリメントが輸入販売されているが、レスベラトロールは不安定でサプリメントによって効力に大きな差があるので注意が必要だ。

レスベラトロールを毎日服用すれば、食事制限なしでサーチュイン遺伝子を活性化できる。レスベラトロールと同様の薬品が次々と開発されれば平均寿命100歳の実現は近い。元気な老人が増えれば医療福祉費が削減され、少子高齢化社会の朗報になる。

現在、レスベラトロールに構造が似ていて強力な働きのある薬品が合成され臨床実験に入っている。同様の薬品は世界中の製薬メーカーが開発競争中で、近いうちに国内でも信頼性の高い薬が発売されそうだ。

http://m4s.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/11612-a5ae.html


・・・

サーチュイン遺伝子

長生きの秘訣が放映されていた。  

テレビ朝日素敵な宇宙船地球号」12月21日 23:20~23:50放送
で「100歳のヒミツ」 ~長寿遺伝子でアンチエイジング~ を放映し
ていた。

長生きの秘訣は何かという研究がされていたが、この解がある程度
判明し始めているようだ。活性酵素を抑えたり、抗体が活性化した
りして、個体の寿命を延ばす働きをする遺伝子が見つかっている。

発見したのはマサチューセッツ工科大学生物学部のレオナルド・
ギャランテ教授である。このサーチュインでショウジョウバエの寿
命は30%向上、線虫の寿命は50%も増加したそうである。

この「サーチュイン長寿遺伝子」は老化を遅らせ寿命をのばすもの
であり、ヒトであれば10番目の染色体に存在するが、サーチュイン
遺伝子は普段活性化していません。活性化する引き金を引くのは
「少ない食料」であること。食事のカロリーを制限したときに協力
に活性化するそうだ。これは、生物として食料が少なくなると子孫
を作ることよりも体を維持しようと働く本能から生じる。

聖路加国際病院で理事長を務める日野原さんのお昼ご飯も、牛乳と
クッキー2つだけという少なさ。食事は低カロリーが一番であると
日野原さんもいいます。年を取れば腹八分目でいいとし、さらに
日野原さんはそれよりも1割少ない7割におさめているとのこと。

一日の消費カロリーは1300キロカロリー程度でとにかく栄養バラン
スを考えること、そして1日で使い切れるだけのカロリーしか消費
しないこと、さらにカロリーを取りすぎたときには3日で調整するこ
とを実践しているようだ。

日頃からエコモードで暮らしていくことによって、元気で楽しく長
生きすることができるのです。飽食の時代にあって、ダイエット目
的ではなく長生きのためにこれからはカロリー制限をしてみてはい
かがでしょうか。

http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/L0/201223.htm


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NHK総合テレビ毎週水曜日・午後8時から放送中
http://www.nhk.or.jp/gatten/

まさかわたしが?急増する新型・栄養失調の恐怖
2010年4月28日放送


今回の番組について

飽食の時代を迎えた日本。
しかし今、戦中戦後のように栄養失調になってしまう人が増えているといいます。
「低栄養」です。
不景気が原因ではなく、栄養に気を使っている人も、3食きちんと食べている人も、
誰でも「低栄養」になってしまう危険があるのです。

平成の栄養失調とも言える「低栄養」は、
体型や食欲では判断できません。
なのに「貧血」「脳出血」「肺炎」「骨折」など体のあちこちで怖い病気を引き起こしてしまう、深刻な状態なのです。

いったい「低栄養」とは何なのか?
そして「低栄養」を引き起こす意外な原因とは?

そのメカニズムとわかりやすく紹介するとともに、「低栄養」を予防・改善する目からウロコ、超かんたんな食事法を紹介します!


番組ディレクターのひとこと

ちょっとせつない「低栄養」の話
以前から「ちゃんと栄養がとれていない人がたくさんいる」
という話は専門家から聞いていました。
この時代にホントなの??と思っていましたが、今回取材してみて、とても意外な、でもなるほど、というような”ある原因”で簡単に低栄養になってしまう高齢者がたくさんいらっしゃいました。

会う人、会う人が
ことごとく”同じ原因”で低栄養になっていたのです。
思わず、「自分の親は大丈夫だろうか?」
そして、「将来自分は大丈夫だろうか?」と考えてしまいました。

食とは?そして家族とは?
「低栄養」の背景にあった現代ならではの意外なテーマ。
みなさんはどうお感じになりますか?


これが平成の栄養失調だ!

東京都に住むAさん(87)は数年前からよく転ぶようになりました。そして去年、階段から落ち、骨折。
病院で調べたところ、低栄養がその背景にあることがわかりました。
でもAさんは食欲おうせいで3食きちんと食べていました。本人も「栄養が足りない」と指摘されたことに納得がいきません。

また、Bさん(84)は低栄養と同時に、結核になってしまいました。Bさんは糖尿病を患っていたため、人一倍栄養には気を使っていました。そのため、自分が低栄養になったことに納得がいきません。
ちゃんと食べていたはずの人が、なぜ低栄養(栄養失調)になってしまったのでしょうか?


低栄養とはタンパク質不足!

実は低栄養かどうかは血液中の「アルブミン」という成分の量で判断されます。
(3.5g/dl以下で低栄養、3.8g/dl以下で低栄養予備群)

アルブミンとはタンパク質の一種で、血液を流れている血清タンパク質のおよそ6割を占めています。
つまり低栄養とは「タンパク質不足」のことなのです。
タンパク質は体のさまざまな組織をつくる材料になります。そのため不足すると、
赤血球の材料が少ない→「貧血」
血管を作る材料が少ない→「脳出血
免疫細胞を作る材料が少ない→「肺炎」「結核
筋肉を作る材料が少ない→「転倒」→「骨折」
などなど・・・・
低栄養はこのようにさまざまな病気につながってしまうのです。


タンパク質の充実が長寿を作った!?

日本人の食事を振り返ってみると、戦後まもない頃までは伝統的な日本食、ごはん、みそ汁、漬け物、煮物、魚が中心でした。
しかし、これでは十分なタンパク質が摂取できていませんでした。当時は結核や肺炎、脳出血で亡くなる人が多かったのです。

そのため、栄養改善活動が始まります。肉や卵を油で調理するような「フライパン運動」や「キッチンカー」を使った洋食の紹介などが進められました。日本人の食卓に洋食が徐々に増えていきます。

こうした栄養改善の成果もあって、結核や肺炎・脳出血の死者は激減、日本は世界一の長寿国になっていきました。伝統的な日本食に肉や卵など少々の洋食が加わって、必要なタンパク質がとれるようになったのです。


高齢者が低栄養になる意外な理由

低栄養になってしまったAさんの食事を見てみると魚は食べているものの、肉は1週間に一度も食べていませんでした。でもAさんは決して肉が嫌いなわけではありません。

ではなぜ食が偏ってしまったのか?

実はAさんも以前は肉や卵を食べていました。それは息子や夫のために栄養や好み考えて、毎日料理をした結果でした。

ところがひとり暮らしになってからは、自分の好きな物しか食べなくなりました。
さらに、健康のため魚や野菜などを勧める健康情報もあふれるようになっていきます。
その結果、好きでも嫌いでもなかった肉や卵は食卓に並ばなくなってしまい、気がつかないうちにタンパク質不足になってしまったのです。
※肉や卵も偏食だとタンパク質不足になりやすくなります。

ある調査によると、低栄養だった124人中、112人がひとり暮らしか、高齢者世帯でした。高齢者の孤食が「低栄養」の危険を高くするのです。


高齢者を元気にした食事法!

秋田県の旧南外村(大仙市)では14年前から、ある食事法を取り入れて高齢者の栄養改善を行ってきました。その結果、低栄養の人が1/3に、そして動脈硬化のなりやすさが減少、さらに以前は低かった村の平均寿命が急上昇、全国平均に追いつきました。

その食事法とは、毎日食べるべき10品目を表にした一枚のシートに凝縮されています。これを使うと自然と必要なタンパク質をとれるようになり、低栄養が改善、病気になりにくくなって平均寿命も延びたのです。

※このシートを使うと、嫌いな物も食べようとするため、自然と食べ過ぎも抑制できると言われています。

<10品目シートの使い方>
1.その食品群を食べたら○を書き込み、○の数で1日10点満点、毎日の食生活を点数化していきます。
2.量は少しでもOK!
(例:のりを一枚でも食べたら、海藻は○)
3.牛乳は乳製品(ヨーグルト・チーズなど)も含みます。
4.表は10日で100点満点、なるべく満点を目指しましょう!

[ 10品目シートダウンロード(PDF) ]
(NPO法人国際生命科学研究機構作成)