「ひとりごと・健康通信」をふりかえって (9) 2020/7/15


もう10年も前から、数人の人に「ひとりごと・健康通信」などというのを書いてきたが、そんな記事を振り返りながら、この10年で健康に対する考えや生活がどう変わってきたか・・書いたものを整理したり、付け加えたりしながら書いています。

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「腎臓・痛風・湿熱」 2011年10月14日

数年前から私も「痛風」仲間に入りました。西洋的な高脂肪・高カロリーの食事を避けて粗食・和食を心がけていますが、どうやらその原因は別の方向にあることが、私には最近わかってきました。

〔 食事による尿酸値の変動は極めて微量であり、血中尿酸濃度は生体の代謝機構が関与している。食事によって痛風の発作を予防することは極めて困難である。〕  
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%97%9B%E9%A2%A8


東洋医学では、痛風の原因は「湿熱」にあるようです。いままで経験した・・坐骨神経痛・静脈瘤・高血圧から、だるい・かゆい・口渇・花粉症・・・まで含めて、その真の正体(原因)がわかってきました。西洋医学では理解できない「湿熱」です。

それは今に始まったことではなく、若い頃からの日本人に多いという「冷飲食」(夏も冬も、冷蔵庫から出したものは冷たい)によって胃の働きが失調「水滞」し、水や栄養が体によく回らなくなるのです。
水滞が長く続くと、熱のもとになる「味の濃い物、脂っこい物、甘い物、カロリーの高い物、アルコール類」を摂り過ぎることによって、「水滞」は「熱」と結びついて「湿熱」という・・わかりやすく言うと、サラサラしていた水がねばねばした「しつこくて、取り除くのに時間がかかる」ものに変わったしまうのです。


いつも東洋医学の健康相談をしているMさんのメールから・・
〔 水分摂取に関してですが、
東洋医学的に冷飲食は脾胃の機能を低下させると言われているのは、米山さんもご存知かと思います。

これには西洋医学的にも言われていまして、
通常、胃腸の温度は約38.0~40.0℃で、
35.0℃以下になるとうまく働かなくることが、分かっています。
また口の中の温度が約37.0℃と言われています。
実際の所、常温の水を飲んでたとしても、
胃腸の働きを低下させてしまうのです。
これは口の中で、水を含んでから飲み込んだとしても
口の中も冷えるので、なかなか35.0℃にはなりません。
胃腸に負担をかけず水分を取るのは、ぬるま湯くらいが一番良いとされています。

と言うもののこの暑さです。熱中症を避けるためにも、水分と体を冷やすものは、どうしても必要です。
水分が過剰になると脾胃湿熱になってしまう。
こんな時の対策として、

西瓜、トマト、バナナなどがお勧めです。
これらは身体を冷やす食品に含まれますが、
胃腸にはそれ程負担がありません。
これは果物や野菜には糖分が含まれていて、
この甘味が胃腸を守ってくれるからです。
またお小水を出す働きもあるので、
湿を溜めないで済みます。 

湿を溜めてむくみや痒みを患ったり、静脈瘤や痛風になるよりは、
生活には支障があるとは思いますが、身体的には楽だと思います。 〕


「湿熱」は、糖尿病、高脂血症、高血圧症、慢性関節リウマチ、胆石や腎結石、心筋梗塞動脈硬化症、脳卒中など、重大な病気につながりやすい体質だという。
冷蔵庫の冷えた水をゴクンゴクン飲むなんていうのが苦しみのもとになるとは・・10年も前から「湿熱」のことは知っていて、「水の飲み過ぎ」にも注意していましたが、遠回りしてここにきてやっと体が理解できたようです。

それと、「痛風」は、痛みがなくなっても尿酸値が高いままだと、腎不全・透析にもつながるということで、何とかしないといけません。
「湿熱」は時間をかけて育ててきたものなので、しつこくてねばねばした「津液」体質ですから、そう簡単には解消しないことはわかっていますが、これから・・冷飲食しない・よく噛んで食べる・運動も大切だが、座っているときに足や体を動かす・呼吸法・・など、生活の改善に取り組んでいきたいと思っています。

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NHK:腎臓が突然ダメになる 急増!沈黙の新現代病   2011年09月14日放送
今回のテーマは「腎臓」。
腎臓は、肝臓などと同じく“沈黙の臓器”と呼ばれるほど自覚症状が出にくい臓器。機能が低下していることに気づいた時には透析療法を始めなくては…ということも多いのです。
また、腎臓病の原因は様々あり、最近では糖尿病など現代人を悩ます生活習慣病の合併症として発症することも多くなっています。そのため、統計を取り始めてから、40年間、透析患者は一貫して増加傾向にあり、現在では全国で約30万人の人たちが透析療法を受けているのです。
この増加をなんとか食い止める方法はないものかと番組が徹底調査!すると新たに透析を受け始める人たちの数を減らした街を発見!また、腎臓を傷める意外な原因も判明!
今回もお役立ち情報満載、必見です。

できれば避けたい人工透析
今回の取材でお邪魔した透析クリニックでは、150台ほどのベッドがずらりと並ぶ病室で、患者さんたちが透析を受けていました。今まで見たことのない光景に、これほど多くの人たちが腎臓病に悩まされていることを改めて思い知らされました。
そして、透析を受けることになった患者さんが決まって口にするのが「こうなるまで気づけなかったことの悔しさ」です。
やはり週に3日、1回4時間の透析は負担です。できれば透析にならずに健康な腎臓で過ごしたいと考えさせられました。


腎臓の驚くべき能力
毒素や老廃物を的確にろ過!
腎臓機能の代表と言えば、老廃物などをろ過しておしっこを作ること。これができなくなると、体内に毒素が充満。数日のうちに命を落とすことになります。
では、腎臓機能が低下し、上手くろ過できなくなった場合はどうするのでしょうか?
血液をいったん体の外に出し「人工腎臓」と呼ばれる機器でろ過をする人工透析が必要になります。人工腎臓の中には、細い管が約1万本入っています。その管1本1本の壁にはミクロの穴が無数に開いていて、分子の大きさで、老廃物と体に必要な糖やたんぱく質などを選り分けることができるのです。
腎臓でこのろ過を担当するのは「糸球体」と言う毛細血管の塊です。糸球体は片方の腎臓に約100万個、両方で約200万個あると言われています。

人工透析には機器で血液をろ過する「血液透析」と、自分の腹膜を利用する「腹膜透析」があります。
※また、透析以外に「腎臓移植」という選択肢もあります。


腎臓の状態を調べる検査と言えば…
人工透析にならないためには、検査で腎臓の状態を知る必要があります。
どんな検査があるかと言うと…
一つには、糸球体のろ過機能に異常があるかどうかを調べる「尿検査」。これは、主に尿にたんぱくが混じっているかどうかを見る検査です。
なぜ尿にたんぱくが混じっていると異常を発見できるのでしょうか?
糸球体の仕事は、体に必要ない毒素や老廃物をろ過すること。正常な腎臓では体にとって必要なたんぱく質などが漏れでることはほとんどないのです。
ところが!
悪い食生活などが続くと、血液中に「糖」や「脂肪」が増加。すると、ろ過する穴を無理矢理通り抜けて穴を広げてしまいます。広がった穴からは体に必要なたんぱく質なども漏れ出すのです。
そのため、尿にたんぱくが混じっているかどうかを調べることが有効になるのです。


たんぱく尿検査の落とし穴
腎臓の糸球体が壊れているかどうかを調べるのに有効なたんぱく尿検査ですが、実は落とし穴があるんです。
と言うのも、糸球体でろ過をしている穴が糖や脂肪によって大きくなりすぎると、今度は血小板が集まってきて血管自体を塞いで通行止めにすることがあるんです。こうなると、たんぱく質は漏れでなくなることがあります。
つまり、糸球体の働きが失われているのに尿検査では見つけることができないことがあるのです。

※糸球体が通行止めになるメカニズムとしては、血小板の作用による「血液凝固」以外にも、「動脈硬化」や糸球体炎による「炎症」の場合もあります。


腎臓機能がどれくらい残っているか%でわかる検査
尿を調べても腎臓機能低下の程度がわからないのだとしたら、どうすれば良いのでしょうか?
実は、腎臓のろ過機能がどれくらい残っているかがパーセンテージでわかるすごい検査があるんです。
その検査とは「クレアチニン検査」です。
クレアチニンとは、筋肉中のたんぱく質代謝された時に発生する老廃物です。腎臓機能が正常な時は、ろ過によって、ほぼすべて体外に捨てられています。ところが、糸球体の通行止めが増えれば増えるほど、体内に残る量が増えます。
つまり、壊れたことで排せつされてしまうものではなく、壊れ具合で体内に残ってしまうものを調べることで機能低下の程度を知ることができるんです。
このクレアチニンの値から、自分の腎臓機能が何%残っているか一発でわかる早見表が日本腎臓学会から発表されています。
※ろ過能力早見表は、こちら。http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20110914/P20110914_002.jpg

※パーセンテージの表示は簡易的なものです。
正確な単位は「ml/min/1.73㎡」
※早見表の数値は、あくまで推参値であり、確定診断は腎臓の専門医を受診してください。


尼崎市オリジナル!チャート表
兵庫県尼崎市では、クレアチニン検査を実施し、ろ過能力の値も示すことで、市民の意識改革に成功。自ら生活改善に取り組む人が増えたことで、新規の透析患者数を3年連続で減らすことに成功したんです。
さらに、尼崎市が新規の透析患者を減らすことに成功したのには、もうひとつ秘密がありました。
その秘密とは、健康診断の結果表を単なる数値の羅列ではなく「チャート表」にしたこと。
このチャート表には、健康診断の結果がすべて反映されているのはもちろん、血管を傷める原因ごとに4段階に分けて表示し、各項目を矢印で結んでいます。さらに、リスクが高い項目は色つきで示すことで、矢印を逆にたどれば、自分の病気の原因が分かるようになっているのです。そのため、何から取り組んでよいのかがひと目で分かる優れものなんです。
※この尼崎市のチャート表は、すべての疾患に対応したものなので、番組では、腎臓病に特化したオリジナルチャート表を作成しました。


腎不全の意外なリスク!
東京都内に住むAさん。
特に病気もしたことがないこともあり、とにかく体力には自信がありました。ところが、今年4月の早朝、突然の“めまい”に襲われ救急車で運ばれると、腎機能が急激に低下していることが判明。人工透析を余儀なくされました。
実は、Aさん、40歳頃に唯一患った病気がありました。その病気が腎臓機能を低下させる一因となったのです。
その病気とは、なんと「痛風」だったんです。
実は、痛風発作がなくても尿酸が血中に7.0mg/dlを超えている人は「高尿酸血症」という病気なのです。症状が出ないことも多く、ほうっておく人も多いのです。しかし、最近の研究で、痛風の原因となる“尿酸”それ自体が、血管に影響し動脈硬化などを引き起こす、つまり、腎臓のろ過機能を低下させることがわかってきたんです。
男性の場合、尿酸値が7.0mg/dl以上の人は7未満の人に比べリスク4倍。女性では、6.0mg/dl以上の人は6未満の人に比べリスク9倍以上というデータもあります。
つまり、痛みがなければ良いのではなく、尿酸値が高い人は腎臓病のリスクが高いので、注意が必要なのです。

今回のお役立ち情報
※空欄に健診結果を書き入れ、基準値を超えている項目は要注意!お近くの病院などでご相談ください。

http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20110914.html


〈 湿熱  体の中は、余分な水と熱でいっぱい 〉 
http://www.dosho-machi.co.jp/disease/diet/diet%20sitsunetsu.html

湿熱(しつねつ)とは非常に分かりにくい概念ですが、食べすぎ・飲みすぎが原因。体内にたまり過ぎた不要な「水」と「熱」が、気や血のめぐりを邪魔して、様々な不調が起こっている状態です。

湿熱チェック あてはまる項目が多ければ湿熱タイプ
・水やお酒が大好き、たくさん飲む
・食欲旺盛
・味の濃いもの、脂っこいもの、カロリーの高い物が好き
・暑がりで汗っかき、頭にも汗をかく
・髪が薄い
・吹き出物が多い
・傷や湿疹が化膿しやすい
・体格がよく、皮膚もつやがよい
・尿は量が多く回数も多い。時に濁ったり、排尿時に違和感を感じる事も
・便は形がなく粘り気があり、匂いが強い。排便後もすっきりしない
・おならが多い、おならの匂いが強い
・豪快で快活そうに見えるが、悩みを一人で抱え込む

体に必要な「水」と「熱」がなぜ、悪さをするのか?
「水」は体を冷やして潤し、「熱」は体を温めて活動させる物質です。
これら二つがどちらも増えすぎると、くっつきあってドロドロとタチの悪いものに変化します。このヘドロのような要らぬ「ドロドロ」を「湿熱」と呼びます。
健康的な「水」や「熱」は体内をスイスイと動き回り、必要な場所で必要な役割を果たします。
ところが、ドロドロした「湿熱」は動きにくく、「気」や「血」の流れを邪魔するので、血流が悪くなり、組織の働きも悪化しています。
当然代謝も悪くなり、ますます太りやすく・やせにくい体質になっているのです。
一見、元気があり余っていそうに見えますが、「湿熱」が気血のめぐりを邪魔しているため、実はだるさや熱っぽさを感じています。

湿熱はたまった場所で悪さをします。例えば関節に湿熱がたまれば熱を伴って痛みますし、皮膚表面では吹き出物が化膿し、膀胱にたまれば排尿の時に痛みや熱感を伴い、大腸では泥状便となります。男性の場合は、性機能に影響を及ぼす事もあります。

対策

湿熱タイプの人は、基本的に食べすぎ・飲みすぎなので、体内はいらないものだらけ。


食事内容の見直しと、体内に溜まった湿熱を消費することが不可欠です。

食事は、全体の摂取量を減らすことが必要です。
その上で、味の濃い物、脂っこい物、カロリーの高い物、香辛料、アルコール類や水分など、特に「湿熱」を生み出しやすい食品の割合を減らしましょう。
たまねぎ・白菜・大根・トマト・すいか・もやし・ごぼう・なす・にがうり・豆腐・シジミ・あさりなどは積極的に取って欲しい食材です。油はオリーブオイルやごま油などが良いでしょう。
早食いの傾向がありますので、よく噛んでゆっくり食べ、満腹中枢を刺激するのも効果的です。
冷たいお茶や水・ジュースなどをがぶ飲みするくせがある人も多いようです。水分はのどが乾いた時だけ、少しずつ飲むことを習慣付けましょう。

摂取量を減らすだけでなく、積極的に運動をして、溜まった湿熱を消費することも重要です。
水泳やウォーキングなど、しっかり発汗して脂肪を燃焼できるような運動が良いでしょう。
ただし体重がかなり重く、足腰や心臓に負担をかける場合はいきなり激しい運動は危険です。お散歩程度のウォーキングやストレッチなど、軽い運動から始めてください。

湿熱タイプの人にはサウナはおすすめできません。サウナで汗となって出る水は「津液(しんえき)」と呼ばれる体に必要な水。元々ドロドロ・ネバネバしているのに、更にサウナで必要な水が減ってしまうと、更に煮詰まってしまいます。

注意事項

「湿熱」は、糖尿病、高脂血症、高血圧症、慢性関節リウマチ、胆石や腎結石、心筋梗塞動脈硬化症、脳卒中神経症うつ病など、重大な病気につながりやすい体質です。
先延ばしにせず、一つでも出来ることから生活を改善することが重要です。

また、化膿性の炎症を繰り返す方の中にも湿熱体質の人が見られます。なかなか治らない化膿性の炎症があれば、一度ご相談ください。漢方薬で体質改善できるかもしれません。

湿熱体質は栄養過多の状態なので、世間一般で「体に良い」とされている食品や健康補助食品などが、逆に体質を増悪させることがあります。やみくもに取り入れることはおすすめできません。
家族で同じ健康補助食品を摂る家庭も多いと思いますが、体質が違えば逆効果になる場合がある事を念頭に置いてください。

* 参考 かなり詳しい解説

湿熱  http://www.geocities.co.jp/Beautycare/1013/kmandara2/17.html

 http://www.geocities.co.jp/Beautycare/1013/kmandara2/17-1.html

気虚 http://www.geocities.co.jp/Beautycare/1013/kmandara2/42.html