「ひとりごと・健康通信」をふりかえって (19) 2022/2/6  「生命力の源『腎』・骨盤底筋」

もう10年も前から、数人の人に「ひとりごと・健康通信」などというのを書いてきたが、そんな記事を振り返りながら、この10年で健康に対する考えや生活がどう変わってきたか・・書いたものを整理したり、付け加えたりしながら書いています。

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「生命力の源『腎』・骨盤底筋」 2013年2月18日 

人間の体は20歳を過ぎた頃から徐々に衰えていくようです。若いときには気がつかなかったことが、50歳を越える頃から次々に出てきます。何も症状が出なくても、若いときから日常的に体を鍛えることの重要性が、いまになってよくわかるのです。

体の衰えは足から始まると言われていますが、東洋医学では「足腰の衰えが排尿・排便に異常をもたらす」と言います。

私の場合は、前立腺肥大とそれに伴う過活動膀胱があって、以前からやっていた柔軟・筋トレに、数年前から「骨盤底筋」の訓練も加えて、毎日やるようにしていますが、そう簡単には改善するものでもなく、日々の生活として生きている限り続けるつもりです。 

「骨盤底筋」は、昨年7月に書いた「腹横筋」を鍛えることにもなるので、腰痛にもいい影響をあたえることが期待できます。NHKのWebにもあるように、「呼吸法に合わせて、息を吐きながら行うと効果が高まる」ようです。


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排尿困難(出が悪い・漏れる・少ない)  東西薬局 猪越恭也先生の本から

老化は下半身から始まるといわれ、年をとると尿の出かたに異常が起こりやすいものです。足腰の力が弱くなるにつれて、尿や大便の出が悪くなってくるのです。尿意がなかったり、尿が漏れたり、便秘が続くといった症状はいずれもこうした下半身の衰弱が原因となっています。
中国医学では、人体の上の部分には心と肺、中央に脾胃(消化器系)、下に肝と腎があるとしていますが、下半身が弱ってくると、内臓では最も下方にある腎が弱り、ついで肝が弱ることになります。
中国医学でいう「腎」には、西洋医学で考える泌尿生殖器系、ホルモン系、カルシウム代謝(骨・歯・骨髄)、免疫系などが含まれており、下半身の衰弱は腎の衰弱(腎虚)を意味します。

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NHK あさイチ  2013年1月21日(月)  今日はとことん 骨盤底筋

今日は「骨盤底筋」を特集。
「骨盤底筋」とは、子宮やぼうこうといった下腹部の臓器を支える筋肉や「じん帯」などの総称で、ここを鍛えると、女性の下半身のトラブルを改善できることが医学的に証明されています。「あさイチ」でも、「尿もれ」、「便秘」、「性交痛」などへの効果をご紹介してきました。
しかしこの「骨盤底筋」、体内にあるため意識しづらいのが難点。「上手な鍛え方を知りたい!」という声があとを絶ちません。
そこで今回、「骨盤底筋」を主役に、最新事情を徹底取材。下半身だけでなく「冷え」や「姿勢」などの全身症状の改善にも効果的であることや、女性だけでなく男性にも有効だということがわかってきました。さらにフランスで実践されている、より効果的なトレーニング方法も紹介。
女性の若さと健康のカギを握る「骨盤底筋」の底力を、わかりやすくお伝えしました。 


あさイチプレイバック~骨盤底筋が衰えることで起こる症状~

骨盤底筋が衰えることで起こるさまざまな症状について、これまで「あさイチ」でお伝えしてきた内容の中から主なものをまとめてお伝えしました。
いずれの症状も、骨盤底筋トレーニングで改善することができます。ただし、症状の度合いによっては、手術が必要な場合もありますので、医師の診断に従ってください。

【腹圧性尿失禁】
せきやくしゃみをしたとき、重たい物を持ったときなど、お腹に力が加わることで起こる「尿もれ」。
【骨盤臓器脱】
ぼうこうや子宮などが膣(ちつ)の壁を押し出して外に出てきてしまう症状。
【直腸性便秘】
通常は排便の時に緩むはずの骨盤底筋が緩まなくなって、直腸に袋状のポケットができてしまい、そこに便がたまってしまうために起こる便秘。
【性交痛】
骨盤底筋の血行不良のため、膣が潤わなかったり、こわばったりすることで起こる。

姿勢も改善!フランス式 新トレーニング方法
産前産後の女性へのケアが進んでいるフランス。そこで注目されている、骨盤底筋の新しいトレーニング方法についてお伝えしました。
そのポイントは「呼吸法」。骨盤底筋を引き締めるとき、「息を吐きながら」行うという方法です。息を吐くときに、横隔膜が上にあがります。それに連動して、お腹の周りを取り囲む腹横筋、そして骨盤底筋も引き上げられます。この動きに合わせて肛門、膣、尿道を動かすと、引き締まる力が増して、鍛える効果が高まるといわれています。

<フランス式の新トレーニング方法>
医学博士のベルナデット・ド・ガスケさんが、自身の3度の出産経験をもとに、20年かけて指導した方法で、「ガスケ・アプローチ」と呼ばれています。
著書:「赤ちゃんと一緒に!ペリネのエクササイズ」(メディカ出版

<フランス式トレーニング方法のやり方>
スタジオで、理学療法士の重田美和さんに指導していただきました。
スタジオではイスに座った状態でトレーニングしましたが、立ちながらやっても、横に寝そべってやってもかまわないということです。

【肛門の動かし方】
1.両足の膝を開いて、足の裏を合わせた姿勢にします。
2.自分の尾骨に尻尾があると想像して、その尻尾を前の方に巻き込むイメージで肛門を締めます。
3.このとき、息を細く長く吐きながら締めていきます。
4.息を吐き終わったら、息を吸うことをあまり意識せず、自然な呼吸をしながら、肛門を緩めていきます。

尿道・膣の動かし方】
1.両足の膝をくっつけるようにし,足は離すようにします。
2.ズボンのチャックを下から上に締め上げるイメージで膣を締めます。尿道が意識しづらい人は膣をイメージして動かしてください。
3.このとき、息を細く長く吐きながら締めていきます。
4.息を吐き終わったら、息を吸うことをあまり意識せず、自然な呼吸をしながら、尿道もしくは膣を緩めていきます。

【回数】
締める、緩めるという動作を、肛門側、尿道、膣側それぞれ5回繰り返します。
これを1回につき、2~3セット繰り返します。
1日あたり、3~5回を目安にトレーニングしてください。
【注意】
妊娠中の方は、無理をしないようにしてください。
妊娠初期、高血圧、心疾患、呼吸器疾患のある方は、呼吸法を誤ってしまうと危険な場合もありますので注意が必要です。


男性の尿トラブルにも効果!
これまで骨盤底筋は「女性の若さと健康のカギ」だとお伝えしてきましたが、実は、男性の尿トラブルにも関係していて、トレーニングで症状が改善できることもわかっています。番組では、男性への電話インタビューをもとに症状を再現して、代表的な事例についてお伝えしました。

【排尿後尿滴下】
症状:40歳の男性の悩み。トイレで排尿するとき、キレが悪く、止めようと思っても最後にポタポタと出てしまう。さらに、出し終えたと思ってズボンをはいたあとに、微量の尿が漏れてしまう。
原因:骨盤底筋などの衰えのため尿を出し切る力が弱り、尿道の途中に尿が残ってしまう。

【過活動ぼうこう】
症状:53歳の男性の悩み。突然の激しい尿意が頻繁に襲う。外を歩いているとき、急に激しい尿意に襲われてトイレを探すこともしばしば。日中は1時間おきにトイレに行きたくなり、仕事に集中できない。夜も2時間おきくらいにトイレのために起きてしまい、寝不足気味になっている。
原因:骨盤底筋の衰えや前立腺の肥大のため、ぼうこうが過敏に尿意を感知して、頻尿になってしまう。

<男性の骨盤底筋トレーニングのポイント>
尿道を動かすときは、こうがんを持ち上げるような感覚で引き締めると、動かしやすいということです。