中学生の視点から

最近TV番組で、小学生がいまの社会や政治に対しても、鋭い視点を向けていることに気づかされたが、そんな感覚が、いまの教育や大人社会の「競争社会原理」に染まってしまうことが目に見えているのは悲しい現実です。「熱心」な指導とか、スポーツにも見られる「成果」を盛り上げるマスコミにも気をつけなければならないのも現実の課題である。
そんな中で、このような足元を見ている中学生もいるのはかすかな救いなのか。

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(声)若い世代が沖縄に目を向けよう   朝日 2018年9月9日  中学生 兼岩優太(愛知県 15)

 3日付の朝日新聞2面に載った「『本土の人は沖縄の人を理解している』と答えた人の割合」というグラフに驚いた。沖縄県でのNHKの世論調査だが、昨年は19%だった。沖縄の人にとって、私たちはそれほど違う世界に住んでいるのかと思うと同時に、自分が沖縄についてそれほど知らないことも思い知らされた。

 私の沖縄のイメージは、美しい自然とエイサーなどの伝統文化のことばかり。第2次世界大戦での沖縄戦から今に続く基地問題を全く知らないわけではない。しかし、箱のラベルを見るだけでは正確な中身がわからないように、私も沖縄戦というラベルを見たことはあっても中身については詳しくない。「戦争なんて興味ない」という友人もいる。これが現状だと思う。

 私たちは沖縄の人に迷惑をかけ続けている。だからこそ私たちは知らなければいけない義務がある。沖縄に行かずとも学べることはある。沖縄戦は「遠い島の過去の問題」ではなく、「日本の今の問題」だと思う。