「ひとりごと・健康通信」をふりかえって (7) 2019/5/17

もう10年も前から、数人の人に「ひとりごと・健康通信」などというのを書いてきたが、そんな記事を振り返りながら、この10年で健康に対する考えや生活がどう変わってきたか・・書いたものを整理したり、付け加えたりしながら書いています。

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「菜の花」 2011年4月25日

ホウレンソウから始まって、カキナ・ブロッコリー・ミズナ・コマツナ・ハクサイ・カブ・キャベツ・チンゲンサイ・・・

私たちの食する野菜・・菜っ葉の多くは「アブラナ科」であることを、この震災騒動であらためて認識(?)させられました。
キャベツ・ハクサイ・カブ・ダイコン・ブロッコリー・ワサビは一年中お世話になっています。

アブラナ科の野菜にはがん予防効果、ワサビは胃の中のピロリキンに効果あり とも聴いています。
ついでに・・梅干にも発ガン抑制効果があるという。


それと、健康の基礎になっている「血液の流れ」を改善する・・ということから、何年も前にNHKの番組で聴いて、タマネギを食べるように心がけていますが、ワサビにもその働きがあるようです。
(ただ、私の使っているチューブでは、「使用しているわさびは100%本わさび」と書いてあるものもあるが、ほとんどは ワサビダイコン や セイヨウワサビ だという。)


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アブラナ科野菜 
 きゃべつ、白菜、漬け菜類(小松菜・野沢菜など)、大根などのアブラナ科野菜には、身体に良さそうな物質が見出されているようです。
  
 それぞれ若芽、つぼみ、葉、根が食用とされています。食品成分表には、野菜は150種類ほどありますが、その中でアブラナ科野菜は、35種程度、野菜の中で約25%の成分が記載され野菜消費量の大部分を占めていました。

 アブラナ科は、世界で3,000種以上が知られています。花弁(花びら)数は4で花の姿が十字状であるので以前は、ジュウジバナ科とも呼ばれていたといいます。北半球に多く、特に地中海沿岸地帯から西アジアにかけて多くの種類が分布しています。多くが秋に芽生え、冬はロゼット(根から茎が伸びず直接葉が放射状に見える状態)で過ごし、春に開花します。

キャベツ 
 カリウム、ビタミンC、K、Uを多く含む。アブラナ科に多いイソチオシアネート(辛味成分)を微量含み香気成分でもあり抗酸化、抗がん、老化防止、生活習慣病予防、殺菌作用が認められる。キャベツから見出されたビタミンU(水溶性)が胃の粘膜を再生保護する作用がある。

白菜 
 栄養的成分は、同じアブラナ科でキャベツ(水分92.7%)に似るが水分が95.2%とありみずみずしさが味わえる。白菜を使ってのキムチ(朝鮮漬け)は、このところのダイエットも手伝って脂肪燃焼(唐辛子、ニンニク、生姜など)効果、食物繊維1.3%~2.7%、乳酸菌発酵による整腸作用もあり今や、たくわんを抜いて急速に生産、消費量とも急増して漬物の王座を占めている。

ブロッコリー
 1997年ブロッコリースプラウト(新芽)に含まれるスルフォラファン(おもに辛味の成分)の成分がピロリ菌を抑制しガン予防に効果的との発表があった。ブロッコリーで100g中にビタミンA効力130μg、ビタミンE2.5mg、ビタミンC120mg、カルシウム38mg、鉄を1.0mg含む。

小松菜 
 カルシュウム(Ca:骨の形成、精神安定作用)が多く吸収はほうれん草よりよいといわれる。

大根   
 辛味成分(生育初期、根の部分に多い)は、イソチオシアネート(脂肪分解・ピロリ菌撃退作用)で、おろして組織が壊された時に遊離し辛くなる。アミラーゼの消化酵素がおおい。大根アミラーゼは、ph5.5付近、60~65度で最も活性化し漬物では浅漬けの短期のものでは活性化するが長期に漬けこむタクワンにはないといわれる。
ビタミンCは、内部より外皮に近いほど多く含む。その他にオキシターゼ(ポリフェノール酸化酵素蛋白質、脂質分解、発ガン物質〈こげ:ベンツピレン〉抑制、解毒作用)、カタラーゼ(酸化還元酵素:成分損失、変色に関与)、グリコシターゼ(配糖体加水分解酵素:栄養の吸収をよくする)の酵素を含んでいる。

蕪(かぶ)  
赤蕪の色素はアントシアニン系のシアニン(抗酸化作用)という。ジアスターゼ(消化酵素)、イソチアシアネート(辛味成分:老化防止)を含む。


 アブラナ科野菜の大きな特徴は、辛味成分(イソチオシアネート)で、緑色の葉部分では、葉緑素、ビタミン(A・C)、ミネラル(カリウム・カルシウム・鉄)が多く含むことが理解されます。
辛味の成分は、独特な鼻にツーンとくる辛味の原因となっています。それぞれの成分は植物にとっては昆虫や草食動物から身を守り子孫を残すためであり食害を防ぐ意味がありますが、人間にとっては香辛料やハーブとして生理活性物質として活躍、重宝されるのです。

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食事と薬の併用で除菌率アップ

WHOの国際がん研究機関は、「ピロリ菌が胃がんを誘発する」と発表しました。日本人の感染率は極めて高く、特に40歳以上では70%以上が感染しています。
以前にココア、フコイダン、ブロッコリー、蜂蜜、梅干などの食品も紹介してきましたが、今回は日本の伝統的なスパイスであるわさびに、特別にピロリ菌を抑制する働きが期待されています。

元々、わさびには血液を酸化させて、老化を促進させる活性酸素を抑えこむ働きがあります。紫外線やストレスなどで発生する活性酸素は、ビタミンCで減らすこともできますが、わさびは発生自体も抑制できます。
さらにわさびの血流を改善する作用が強いです。血小板が集まって固まるのを抑制して、血栓を防ぐ「わさびスルフィニル」と呼ばれる成分が含まれていることもわかってきました。

わさびは食品の衛生状態を保つ役割もあります。刺身や寿司にわさびを添えるのは、大腸菌や食中毒菌の増殖を防ぐためです。胃アニサキス症でも紹介している「アニサキス」などの寄生虫に対する殺虫作用も確認済みです。


この良いこと尽くしのわさびが、静岡大学の研究チームによって、ピロリ菌の除菌にも効果があると証明されました。
現在、胃がん胃潰瘍の原因はストレスとピロリ菌だとされています。そのため、ストレスの緩和とピロリ菌の除菌が最大の予防策です。
その中でわさびは、ピロリ菌で傷ついた胃粘膜障害を抑制すると同時に、ストレスにで誘発する消化器系の障害に対しても抑制効果を発揮します。これが今までの食品との大きな違いです。
わさびでピロリ菌の数を減らして、胃粘膜の傷害も抑制、最高の治療環境が整ったところで投薬すれば、除菌率は確実にアップするでしょう。
もし、日常生活でわさびを摂り続けるのが大変なら、ピロリ菌の除菌薬にわさび成分の含まれた内服薬が追加されるかもしれません。
http://www.pirorikin.com/cat4/post_46.html

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今、注目を集めるわさびの新効能

野菜の中でも飛び抜けて高い血液サラサラ効果
体ポカポカ、冷え改善作用も

有効成分「わさびスルフィニル」が血栓を防ぎ、血液をサラサラにする。
そのパワーは、野菜の中でもダントツに強く、タマネギと同じレベルだ。
末しょうの血流がよくなり、冷えを改善することもわかってきた。

血液が27%も改善 わさびスルフィニルが効く
わさびをとって1時間後には、14人中13人で血流がアップ。平均で27%の改善が認められた。最初はドロドロして詰まり気味だった血液が、わさびを食べた後はスムーズに流れるようになっている。
   
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疲労回復で有名な梅干のパワー

梅干は梅を塩漬けした後に、日干しにした漬物で日本の伝統的な健康食品です。
例えば、全国有数の和歌山県紀州梅は皮は柔らかくて果肉は厚く、種も小さいので、収穫された70%が梅干に加工されます。
実際、町ぐるみの最新の研究では、梅干に胃癌などの病気予防に役立つことがわかってきました。
唾液の分泌を促して食欲を増進させたり、クエン酸の効能から疲労回復させたりと、梅干の独特の酸味には医者要らずと呼ばれるくらい健康効果が期待できます。
たんぱく質、脂質、カルシウム、リン、鉄分、ビタミン、有機酸を含み、腹痛を予防したりや血液をサラサラにする利点があります。
高血圧や腎臓病で塩分制限が必要な方を除いて、1日に2個くらいまでは気にすることなく食せます。

ピロリ菌の抗菌作用については細胞レベルでの研究が現在も進められています。実際、梅干を食べる習慣のある人ほど胃が健康で、ピロリ菌の感染度を極端に低いことが証明されています。

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蜂蜜には殺菌と消炎作用があり、患部の消毒にも使えます。口内炎の治療にも利用でき、医薬品として販売されています。
蜂蜜の味は花の種類で味、色、香り、成分が大きく異なってきます。
世界で最も生産量が多いのはクローバー、鉄分が多く黒砂糖に似た味がするソバ、日本国内の生産量が多いミカンやリンゴ、色が薄く香りも少なく癖のない味で好まれるレンゲなどがあります。
人間の健康維持に役立つことが知られており、新しい健康効果としてピロリ菌の除菌にも効果が期待できます。