同じ地球の生き物
新聞の同じ面に載っていたこの二つの記事と、二人の対比・・比べるわけでないけれど、生き物や他者に対するものの見方の違いが見えてきてしまう。政治とか社会の足元にあるものは、案外こういう簡単素朴なことなのかもしれないと思う。
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(声)若い世代 こうちゃん、天国でも元気でね 朝日 2018年6月22日
小学生 石戸千遥(東京都 10)
かっていた金魚が亡くなりました。名前は「こうちゃん」。ようち園のイベントですくってきたので、ようち園の名前からとりました。
こうちゃんは6年間生きました。太陽のようなオレンジ色でいつもピカピカとかがやいていました。家族の一員で、私が毎日朝晩えさをあげていました。
こうちゃんの病気にもう少しはやく気づいていればな。もう少しはやく水そうのそうじをやっていればな、とこうかいしています。とても悲しいです。
私のゆめは動物のしいく員ですが、病気に気づいてあげられないのは、しいく員しっかくです。命をあずかるということはすごく重要な仕事だと思いました。動物をかっている人はきちんとちょうしを見てあげ、最後までかわいがってあげるのがかいぬしの仕事だと思いました。
(社説)米国と人権 大国の原則軽視を憂う 朝日 2018年6月22日
人権を重んじる大国を標榜(ひょうぼう)してきた米国が、自らその看板を下ろす行動を続けている。国際機関でも米社会でも、トランプ政権の人権軽視が甚だしい。
米国が、国連人権理事会からの脱退を発表した。国連総会が選ぶ47の理事国が集い、世界の人権を監視している組織だ。
その活動が偏向しているというのが、脱退の理由だという。実際には、米国の友好国イスラエルへの肩入れのためだ。
中東の安定を顧みない外交で混乱を招きながら、国連の対応が気に入らないとして、人権理事会から脱退する。そんなトランプ政権の身勝手さは、世界の失望を買うだけでなく、米自身の影響力を衰えさせている。
人権理事会は、北朝鮮やシリアなどの人権侵害にも取り組んできた。これらの国の後ろ盾である中国やロシアは、米国批判を強めている。人権を軽んじる強権国が発言力を増す機会を、米国が提供している。
拘束した移民の親と子どもを当局が引き離す痛ましい状況が伝えられ、与野党を超えて抗議が広がった。政権はやむなく対応を変えたが、不法移民を例外なく拘束し、訴追する「不寛容政策」は続けるとしている。
移民政策は各国に共通する難題ではあるが、移民大国の米国が多様な包容力を失う意味は深い。今後も続く移民・難民の波と、米国など受け入れ側の摩擦は、国際的な人権水準を守る上で大きな不安要因となろう。