「ひとりごと・健康通信」をふりかえって (12) 2020/10/16 「糖化」


「ひとりごと・健康通信」をふりかえって (12) 2020/10/16 「糖化」

もう10年も前から、数人の人に「ひとりごと・健康通信」などというのを書いてきたが、そんな記事を振り返りながら、この10年で健康に対する考えや生活がどう変わってきたか・・書いたものを整理したり、付け加えたりしながら書いています。

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「糖化」 2012年2月23日

後悔しても過ぎ去ったことですが、若いときに知っていればもう少し老化を遅らせることができたのか・・と思わせる「糖化」について、〝これからでも〟理解して、生活の見直しをしていかなければと、最近になって私はやっと気づいたのです。
確かに、顔や肌にシミや黒ずんだ斑点ができて、東洋医学でも「おけつ」という血液の流れがよくない状態であることはわかっていました。糖尿病の怖さにも気をつけていたつもりでしたが、日々の生活で「これぐらいなら・・」と食べていた好きなパンや大福モチなどが、じわじわと血糖値を上げていて、その重大なことに気がついていなかった・・のかもしれないようです。


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アンチエイジングだ!肌ホネ血管一挙に若く保つ方法   NHK 2011年05月18日放送

今回ガッテンが挑んだのは、
「老化を防ぎたい」という人類永遠の願い。
お肌のハリがなくなった・・・
目がかすむようになった・・・
足腰がめっきり弱くなった・・・
誰しもに必ずやってくる様々な体の老化に、
共通の原因物質があることが明らかに!
その物質を体内で増やさなければ、
老化予防“アンチエイジング”が可能になるんです!
いつまでも若く元気でありたいと願うすべての人に!
10年20年先も若さをキープするために!
科学が解き明かした超意外な老化のヒミツと、
外見だけじゃない“本当の若さを保つ”ための、
とっても簡単なワザをご紹介します!!

ホントに役立つ老化予防!
老化を止めるなんて、できるわけないじゃん!
そう思いますよね。
でも、
ちょっとでも遅らせることができるとしたら?
知らないうちに自分で老化を加速させているとしたら?
今回お伝えしたいのは、
そんな老化予防の大事な豆知識です。
10年先20年先の若さのために
ぜひ頭の片隅に置いておいていただければ幸いです。

正体発見!老化物質「AGE」とは?
最近の研究から、全身のさまざまな老化に、
なんとある共通の物質が関わっていることが
わかってきました。
その名も「AGE」。
AGEは、ある原因によって誰でも、
お肌や、骨、目、血管など、
全身のあちこちにたまってくるのです!
AGEがたまると、
骨や血管がもろくなったり、皮膚の弾力性の低下や、
視力の低下につながると考えられています。
つまり、AGEを増やさないことこそ、
老化予防“アンチエイジング”になるのです!
老化物質AGEとはいったい何なのでしょう?

おいしさと老化の意外な関係
老化物質AGEは、なぜたまってしまうのか?
その謎を解くカギを握るのは・・・
なんと、
パンやお肉を焼くと、コンガリとキツネ色に色づき、
おいしくなる化学反応。
これは「メイラード反応」と呼ばれ、
たんぱく質」+「糖」=茶色くなるという反応です。
この「おいしさの方程式」が、
実は、人の「老化の方程式」でもあったのです。
人の体のたんぱく質と、食べ物から摂取する糖が、
ジワジワと時間をかけて、「糖化」と呼ばれる反応を
起こすのです。
この糖化によってできるのが、AGEだったのです。
AGE=
Advanced Glycation End-products(終末糖化産物)。

コラーゲンの糖化=老化だった!
「糖化」の影響を受けやすいのは、
コラーゲンなど代謝の遅いたんぱく質です。
コラーゲンと聞くと、
どんなイメージをお持ちでしょうか?
お肌に大事なもの?
実はそれだけではないのです。
コラーゲンは、
体中の細胞と細胞をつなぐ接着剤のような役割を果たしており、いわば全身の細胞の土台です。
コラーゲンなくして、生き物は多くの細胞を支えることができません。
つまり、体中の細胞の間を埋めているコラーゲンが糖化され、茶色く劣化してしまうことは、全身の体の老化につながるのです。

糖尿病は老化を加速する!?
糖化を加速する要因は、高血糖です。
その最たるものは、糖尿病。
これまで糖尿病は、こわい血管病であると、
広く認識されてきました。
しかし、糖化という観点から見ると、それだけでなく
実は「老化を加速する病気」とも言えるのです。
糖尿病でない人も注意したいのが、
食後の高血糖です。
最近、空腹時血糖値が正常でも、
食後の血糖値が高い糖尿病予備軍の人が増えています。
日頃から食後の血糖上昇に気をつけることが、
慢性的な高血糖状態になることの予防につながります。
体の若さを守るためにも、
高血糖には注意したいものです。
※血糖値を上げないために、食事の炭水化物の量を極端に減らすことは危険ですので、ご注意ください。

糖化を防ぐ!食事のコツ
糖化をなるべく進めないことは、
老化予防につながります。
とはいえ、
○○を食べてはいけない
△カロリーまでしか食べてはいけない
などと制限をしてしまうと
ストレスも大きく、長続きしません。
そこで今回ご紹介したのは、
食後の血糖値の急上昇を抑える、
ちょっとした食事のコツです。
みなさんは、
カレーライスとサラダ、どちらを先に食べますか?
ごはんを先に食べると、
血糖値が一気に上がりやすくなります。
それに対し野菜などの食物繊維を先に食べると、
腸での糖の吸収がゆっくりになり、
血糖値の上昇もゆるやかになります。
糖化を予防する食事のコツは、
「先に野菜を食べること」なのです!
実際に糖尿病患者さんの食事療法として、
「食べる順番療法」を実践している病院では、
血液中の糖化の指標値である、
糖化ヘモグロビンの値(HbA1c)が大きく改善する効果も見られています。
さらに、
先に野菜を食べることにより
(1)自然と野菜を食べる習慣がついたり
(2)自然とごはんが控えめになったりするため、
糖化予防はもちろんダイエットまでもが
効果的に実践できると考えられています。

今回のお役立ち情報
今回番組で紹介した老化とは?人の老化には様々な要因がありますが、最近の研究から、ある物質が、皮膚や骨、血管など全身の様々な組織の老化に深く関わっていることが明らかになってきました。その物質の名前は、AGE(Advanced Glycation
End-products;終末糖化産物)といい、体内で起こる「糖化」という反応によって作られる物質です。AGEがたまることによって、皮膚の弾力が失われたり、血管や骨が硬くもろくなったりすることがわかってきています。
糖化とは?人の体の「たんぱく質」と、主に食べ物から摂取する「糖」が、ジワジワと時間をかけて反応します。これが「糖化」あるいは「メイラード反応」と呼ばれる化学反応で、お肉やパンなど、たんぱく質と糖を含む食べ物を加熱したときに、こんがりと茶色く色づき香ばしい香りが生まれる反応と同じものと考えられています。特にコラーゲンなど代謝の遅いたんぱく質では、この糖化の影響が残りやすいと考えられています。
糖化を進める原因は?私たち人間が食べ物から糖を摂取している以上、ある程度の糖化は避けられません。ただ、より糖化を加速させてしまうのが、「高血糖」です。糖尿病にならないようにすることはもちろんですが、糖尿病でない人も注意したいのが、食後の高血糖です。最近、空腹時血糖値が正常でも食後の血糖値が高い、いわゆる糖尿病予備軍の人が増えています。日頃から食後の血糖上昇に気をつけることが、慢性的な高血糖状態になることの予防につながります。体の若さを守るためにも、高血糖には注意したいものです。
糖化の予防法は?番組では、食後の血糖値の急上昇を抑えるちょっとした食事のコツをご紹介しました。
それは、「先に野菜を食べること」。ごはんを先に食べると、血糖値が一気に上がりやすくなります。
それに対し野菜などの食物繊維を先に食べると、腸での糖の吸収がゆっくりになり、血糖値の上昇もゆるやかになります。
※血糖値を上げないために、食事の炭水化物の量を極端に減らすことは危険ですので、くれぐれもご注意ください。

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・老化の原因「糖化」とは?
 老化を語る上で避けては通れない、ある「生体中の反応」が昨今注目され始めています。それが「糖化」です。実は今、私たちを取り巻く生活環境が、この糖化を促進させる要素にあふれていることをこれから説明していきます。

 糖化(メイラード反応)とは、たんぱく質や脂肪などが糖(グルコース)と反応して変性してしまうという反応を言います。1912年にフランスの科学者L・C・メイラードが提唱したことから名づけられました。
 糖化反応の実験では、アミノ酸グルコースを混ぜて熱を加えます。すると時間が経つにつれて褐色に変化していきます。身近な例では、ホットケーキを焼いたときの反応がわかりやすいでしょう。牛乳や卵に砂糖を混ぜて焼くと、こんがりと褐色に変化し、おいしそうな香りを放ちますが、これがメイラード反応、つまり糖化です。砂糖を煮詰めたときの「カラメル化」も、醤油や味噌の風味をよくする反応も同様です。
 「こんがり」「よい香り」「風味 を増す」と、食材に関してはメリットの多い反応ですが、これが私たちの体の中で起こってくると非常に危険なことになります。

 生体中の反応については、1968年に人のヘモグロビン(酸素を運ぶたんぱく質)が、血液中のグルコースと反応して糖化することが発見されました。そのヘモグロビンは「ヘモグロビンA1C」と呼ばれ、糖尿病の代表的な検査として知られています。糖尿病になればこの値が上昇するのです。
 恐ろしいのは、糖化と糖尿病合併症(白内障や腎症、神経症)の関係です。糖尿病の患者は血中のグルコース濃度が高いので、糖化反応が起こりやすく、そのスピードがアップしてしまいます。そうすると、恐ろしい糖尿病合併症を早々に引き起こしてしまうのです。
 これらの糖尿病合併症が悪化すればするほど、老化現象も拍車をかけて進みます。それは加齢による正常な変化とは違う、「病的な老化」です。糖化は極端に早く「老化する人」を作ってしまうのです。

 美しくハリのある肌を保ちたい人にとって、糖化はもっとも避けるべき生体反応です。

 これまで肌の老化に関しては、UVケアに代表されるような「抗酸化ケア」や、乾燥から肌を守るための「保湿ケア」が大切であるといわれてきましたが、糖化についてもケアが必要なことがわかってきました。糖化で肌が衰えるとはどういう状態なのでしょうか。それは糖尿病にかかった人の肌の変化を見ればすぐにわかります。
 糖尿病が進行すればするほど、肌はハリを失い、たるみ、黒ずんだ印象へと変化していきます。医師であれば、その肌の状態を見るだけで「糖尿病がかなり進行している」ということが判断できるほどです。

 糖化は、肌のハリを保っているコラーゲン繊維の構造を破壊する生体反応です。糖化によって、肌は正常な弾力性を失い、ハリやつやのない状態に変性してしまいます。
 また、糖化によって生じる老廃物が皮膚の細胞に溜まり、くすみや黒ずみの原因となることで、肌の透明感が失われてしまいます。これまで単 に「老廃物」といわれてきたものの中に、糖化によって生成されたものが非常に多いということがわかってきたのです。
 冒頭で、糖化は「カラダがコゲる」反応だと申し上げました。肌についても同様のことがいえるのです。つまり、糖化によって肌のたんぱく質や脂肪がコゲたような状態になる。コラーゲンなどのたんぱく質が破壊され、「コゲる」と弾力性が失われるのです。

・・・

連載第1回では、老化の原因「糖化」について説明しました。糖化とは「体がコゲる反応」です。この糖化が起こるといくつかの反 応を経てAGEs(糖化最終生成物)と呼ばれる老廃物のような物質が生成・蓄積されて、老化現象にも拍車をかけるということを説明しました。今回は、老化モードを防ぐ食べ方について説明します。

いわゆる高血糖状態になると糖化反応が急速に進みます。簡単に言うと糖化を防ぐ食生活とは、高血糖状態をいかに避けるかということになってきます。
例えば最も良くないのは、喉が渇いたからといって、空腹時に甘いジュースや甘い炭酸飲料などを一気に飲むような行為です。一気に飲んでしまったら血糖値が正常な人でも200mg/dlから300mg/dlに上がってしまいます。血糖値が180~200mg/dlを越えた状態での糖化の進み方と、血糖値が140から150での糖化の進み方はまったく違います。血糖値が高いほど、糖化されやすくなるのです。さらに、このように血糖値が急激に上がると、血中のインスリン濃度も上昇します。インスリンが大量に分泌されているた め、血糖値が下がった後も、インスリンは高い状態が
続くのです。
今度はその高い状態のインスリンの作用によって、低血糖状態が引き起こされます。低血糖は体にとって非常に危険な状態ですから、今度はインスリンの効きを悪くするような働きが生体中に起こるわけです。これがインスリン抵抗性のメカニズムです。こうなると、インスリンの効きが悪くなって、血糖値がなかなか下がらなくなってきます。つまり、高血糖状態から脱出できないことになります。
食事をすれば血糖値は上がりますが、都合が悪いのは「急激に上がってしまう」ということです。

現代の食生活の問題点は、血糖を急激に上げる食材や食べ方が多いことです。このように空腹時に甘いジュースを飲んだり、お菓子を食べたりするのはもってのほか。精製された小麦粉を使ったパンなどを食べても、血糖値はすぐに上がってしまいます。精製された小麦粉のパンよりも、胚芽小麦やライ麦などで作られたパン、白米よりも玄米を選ぶことで、急激な血糖値の上昇を防ぐことができます。

昔は精製されていない食品が多かったのです。それに比べて現代は急激に血糖値を上げる食品であふれてしまいました。人間の体は、精製されていない食品をゆっくり良く噛んで食べていれば、血糖値の上昇もちょうどよく上がるようなしくみになっているのです。また、たとえ同じ食品を食べた場合でも、ゆっくり食べれば急激な血糖値の上昇は避けられます。つまり、"糖化のリスク"を下げることができるのです。

そうした食品の"糖化のリスク"を調べるにはGI(グリセミックインデックス)値を利用すると良いでしょう。例えば、同じイモ類でもジャガイモとサツマイモでは、ジャガイモの方が"糖化のリスク"が高く、サツマイモの方が"糖化のリスク"が低いことになります。おやつを食べるのであれば、ジャガイモを酸化した油で揚げたようなポテトチップスではなく、ふかしたサツマイモを食べた方が良いのです。
同じエネルギーでもGI値を比較して、GI値の低い方を選ぶことが糖化を防ぐポイントです。

ダイエットをしている人たちはとかく「低カロリーか どうか」を気にしますが、GI値を目安に食品を選んでいくことも大切です。どちらを食べようか迷うときは、GI値の低い方を選んで食べることが基本です。
GI値が高い食べ物であれば、その食べ方を工夫することで、急激な血糖値の上昇を防ぐことができます。例えば同じ果物でも、そのままであれば食物繊維が多く含まれていますが、ジュースにすると食物繊維が細かくなったり、取り除かれてしまいます。そうすると、同じ分量でもジュースの方が多く糖質を含むことになります。ジュースにしてしまって一気に飲むより、皮をむいてそのままの状態で食べる方が、急激な血糖値の上昇を避けられます。
このように、GI値の高い食べ物は、気をつけてゆっくり食べることを心がけましょう。甘いものは食べてはダメ、というわけではありません。節度を持った食べ方をすれば良いのです。

先ほどお話したように、白米より玄米・雑穀の方がGI値も低いわけですが、じゃあ急に主食を玄米に変えても、白米と同じようにガツガツと食べたら、玄米・雑穀では消化不良を起こしてしまいます。玄米・雑穀はゆっくり良く噛んで食べないことには、その良さが引き出されないのです。白米から玄米・雑穀に移行するのであれば、噛む練習を一緒にやるべきです。そのためには、最初は白米に3割だけ玄米・雑穀を混ぜるとかして、段階を経て実行すると良いでしょう。玄米・雑穀を良く噛んで食べるという食習慣が身につけば、それがベストでしょう。玄米・雑穀の滋養を享受でき、良く噛むことによって唾液の分泌が活発になり消化吸収が良くなりますし、噛むという行為によって、脳からでるホルモン分泌も活性化します。また、噛むことによって頬から顎の筋肉が鍛えられて、たるみのないひきしまった顔になっていきます。まさに一石三鳥、四鳥の効果です。

GI値と照らし合わせて食材を選ぶことと同様、食事をする際の食べる順番も大きく影響します。血糖値が上がりやすい食品は後に回すのです。順番としては、最初に繊維質の多いサラダを食べて、次に野菜の煮物などのおかず、その次に肉や魚、最後にご飯を食べるというのが理想的。最後にご飯だけ食べるというのは無理があるかもしれませんが、心がけとして覚えておいてほしいと思います。

 お菓子なども絶対食べてはいけないのではなく、空腹時にたくさん食べるのはよくないけれど、食事の後のデザートとして適量であれば、害が少ないということになります。
お菓子類に多く含まれている砂糖やブドウ糖は、GI値が極めて高く、急激に血糖値を上げる食材の代表選手です。よく「脳のエネルギー源はブドウ糖」ということもいわれますが、脳の代替エネルギーは存在しますし、少なくとも現代日本の食生活では、砂糖不足(炭水化物不足)という事態はありえません。むしろ炭水化物の過剰摂取による糖化の促進のほうが問題です。

また食べる時間帯も重要です。寝る直前に食べるのはもってのほか。少なくとも二~三時間は空けましょう。相撲部屋ではたっぷり食べてその後昼寝をして力士体型を作っています。

これらの点に気をつけることで、糖尿病予備軍の人は糖 尿病への進行を防ぐことができますし、通常の血糖値の 人も、糖化による老化を防ぐことができるのです。

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・抗糖化ナンバーワン食材のショウガで美肌のキープや糖尿病合併症の予防が可能!  

 ブドウ糖などの糖と、タンパク質が体内で結びつき、劣化したタンパク質に変性する非酵素的な糖化反応は、肌にも他の諸器官にもさまざまな悪影響を及ぼします。
 糖化反応によって体内に終末糖化産物(Advanced Glycation Endprpducts:AGEs)という劣化タンパク質が蓄積され続けると、肌や血管などの諸器官の老化が早まってしまいます。
 糖尿病の指標となるヘモグロビンA1c(HbA1c)は、糖化反応の中間糖化産物で、HbA1c値が高い(概ね5.6以上の)人は、糖化反応が進行している状態にあると考えられます。
 AGEsは加齢とともに増加してきますが、体内に過剰に沈着すると、肌の老化だけでなく、さまざまな病気の原因にもなります。
 肌のエイジングは、活性酸素などによる「酸化」、感染や負傷などによる「炎症」のほか、AGEsによる「糖化」で加速され、「糖化」によって肌のハリや弾力が失われ、黄ばみ・くすみ・シワ・たるみ・カサつきなどを引き起こしま-す。
 また、眼、脳神経、血管、血液、骨などの諸器官にも悪影響を及ぼし、特に糖尿病の合併症(網膜症・腎症・神経障害)と密接に関係しています。
 糖尿病の人は、AGEsが蓄積されやすく、動脈硬化アルツハイマー白内障骨粗鬆症などの発症リスクも高くなるといわれています。
  では、糖化を防ぐ食材として、どのようなものが有効なのでしょうか? 

 インド(ハイデラバード)にある国立栄養研究所のSaraswat氏らによる研究(BrJ Nutr 2009; 101(11); 1714-21)では、糖化を防ぐ食材として、17種類を選び、真空凍結乾燥した食材粉末の糖化阻止率をAGE蛍光法で測定しています。
 その結果、糖化を阻止する作用が最も高かったのはショウガで、その糖化阻止率は93%という高値を示しました。
 ショウガに続いて、シナモン(88%)、クミン(86%)、緑茶(86%)、黒胡椒(50%)、バジル(45%)、リンゴ(45%)、ツルレイシ(40%)、レモン(37%)、ニンニク(31%)、オレンジ(29%)、キュウリ(7%)、タマネギ(6%)の順で、ほうれん草、ヒメウイキョウグアバマスタードは検出限界以下でした。

 なお、ショウガはSDS-PAGE法やタンパク質カルボニル法で測定しても、糖化阻止率がトップでした。そのため、ショウガには糖尿病性白内障を予防したり、その進行を遅らせたりする効果があります。このように、ショウガは、その糖化抑制作用によって、糖尿病性白内障の進行を用量依存的に抑えることが分かりました。
 ショウガは、美肌を損なう三大要因である「酸化」・「糖化」・「炎症」のすべてを抑える作用を持ち合わせているほか、糖尿病の合併症の予防や進展を食い止めるのに役立つと考えられるため、美しい肌をキープしたい人や糖尿病(血糖値)が気になる人は、日常的にショウガを摂ることをおすすめします。