「ひとりごと・健康通信」をふりかえって (13) 2020/12/3 「股関節:足腰ヒザ痛の真犯人」2012年4月3日  

もう10年も前から、数人の人に「ひとりごと・健康通信」などというのを書いてきたが、そんな記事を振り返りながら、この10年で健康に対する考えや生活がどう変わってきたか・・書いたものを整理したり、付け加えたりしながら書いています。

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「股関節:40代から特にキケン!とれない足腰ヒザ痛の真犯人」 2012年4月3日

「膝関節症」の予防のため、かなり前から、両手に重りを持ってのスクワットとともに、古タイヤのチューブを使って、大腿筋・腹筋の強化なども多少はやっていましたが、最近原因不明のヒザの痛みがあって、・イスや机に軽く手を突いてのスクワットを日に何回かやるようにしています。
立ち上がってヒザをのばしきらないうちに止めて、イスに座る前の位置で止めたり、きつくなると座ったりして、加減しながらゆっくり動くと、筋肉に効いてくるのがわかります。
お茶を飲むときの、湯が沸くまでの2・3分待っているときなど・・生活の中にちょっとしたタイミングを見つけて取り入れるように、習慣化しようと思っています。
前に書いたような気がしますが、私の唯一の望みは「死ぬまで歩く」ことですので、その実現に向けて、困難な道を一歩ずつ進みたいと思います。

・・タイミングよいNHKと朝日の・・「股関節」に注目しています。

注目
歩いているときや座っているときにも、姿勢によって骨盤が傾いて、・・歳とってひざの関節の軟骨が減り膝関節症になる人が多いのと同様に・・・股関節の軟骨も減るという。
ただ、一度減ると再生しないと聴いていた軟骨が再生したということをここで聞いて、人間もトカゲにはおよばないとしても、生物にそなわっている「自己を守り、治そうとする能力」をあらためて認識した思いです。

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40代から特にキケン!とれない足腰ヒザ痛の真犯人
NHK:2012年02月01日放送

治らない腰の痛みや、原因不明の膝の痛み、そしてどこともつかない足の痛みなど・・・。
誰もが一度は経験したことのあるような症状ですが、ひょっとすると全然別のある場所の異変が隠されているかもしれないんです。
その場所とは「股関節」。
普段はあまり気にしない場所ですが、ここを痛めてしまうと本当に大変!
まさに体重を受け止める体の要だからです。
特にキケンなのは、40~50代の女性!
しかも股関節の異変は、気づきにくいのが特徴です。
一体なぜなんでしょう?
番組ではその謎を解き明かすため、股関節の仕組みを徹底解剖します。
股関節に要注意の姿勢や痛みを取る意外な治療法まで、大切な股関節を守るための情報満載でお届けします。

一度は気にかけてほしい股関節
股関節の病気は、驚くほど気づきにくいのが特徴です。
しかし症状が進行すると、生活が大きく制限されてしまいます。多くの方は、発症年齢も若く、働き盛りで家族の中心、しかも治療は個人差が大きく決定打はない。
当初はなんて残酷な病気だろうと感じていました。
ところが、お会いした患者さん達の明るいこと。予想とのギャップに驚きましたが、明るさの裏には納得のいく治療を自ら選んだ、自信があるのだと感じました。
変形性股関節症は決して簡単な病気ではありませんが、一人でも多くの方が早く発見して、納得のできる治療を選んでほしい、そんな思いで作った番組です。

元気な40代が突然歩けなくなる!?
都内に住む会社員のAさんは、去年3月からキリキリする膝の痛みに悩まされてきました。
しかし、整形外科に行っても異常なし。
マッサージなどの治療に通ったものの改善せず、仕事と家事に追われる忙しい生活の中で、半ばあきらめかけていました。
そんな時、突然股関節がはずれたような激しい症状に襲われ、歩くことも困難に。
検査の結果、股関節の病気だと分かり、治療を受けました。
一方、プロゴルファーのBさんは、若い時から腰痛に悩まされており、治療を試みるも一向に改善しませんでした。
そんな中、2年前にやはり股関節の激痛に襲われ、寝返りも打てないほどの状態に。
手術を経て股関節の痛みが取れると、何と長年の腰痛まですっかり治ってしまったそうです。
それまでは二人とも40代の健康な女性。その二人を襲ったのは、同じ股関節の病気です。しかし、二人とも激痛になるまで異変に気づかなかったばかりか、股関節が治ったら、膝や腰の痛みもなくなったそうです。
実はこうした症状は、股関節の病気にかかった多くの人に共通しています。痛みが出る場所は、腰や膝、足の様々な場所に及び、なかなか特定できません。
さらに40代から50代の女性が多いのも特徴です。
一体どうしてなんでしょうか?

おわんの浅い人は股関節に要注意!
人間の股関節は、ボール状の足の骨が、おわん状の骨盤のくぼみにはまりこみ、それが骨盤から斜め横にはり出すという独特の形をしています。そのおかげで、足を内側や外側に大きく動かす自由な動きができる一方、周囲の筋肉で強い圧力をかけないと、安定して動かすことができない仕組みになっています。
その圧力は、歩くだけでピーク時に体重のおよそ4倍、床からの立ち上がり動作ではピーク時に体重のおよそ
7倍もの力が片足の股関節にかかるほどです。
しかし、この仕組みは皆同じ。ではなぜ病気になる人とならない人がいるのでしょうか。


その違いはX線写真で簡単に見分けることができるものでした。
股関節の激痛は「変形性股関節症」という病気によるもので、ボールとおわんの間の軟骨がすり減って炎症を起こすことで痛みが生じていました。さらに炎症の起きている人のX線写真と、そうでない人のものを比べると、何とおわんそのものの深さが大きく違っていたのです。
つまり痛みが出た原因は、骨盤側のおわんが浅いことで、軟骨がすり減りやすいことだったんです。
実は女性は男性に比べておわんが浅い傾向があり、おわんの浅さと長年の負担が重なって、40代以降に発病するケースが多く見られるのです。

姿勢の悪い人も股関節に要注意!
一方、おわんは浅くないのに変形性股関節症になる人が増えているという医師もいます。


その原因の一つに「姿勢の異常」があると考えられています。
実際、注意が必要なのはどんな姿勢なのでしょうか?
京都大学の建内宏重先生の協力で、街ゆく人の姿勢をチェックしました。すると、およそ3分の2が要注意と判明!
共通する特徴は、おなかが前につきだすことで、骨盤が後ろに傾いていることです。
骨盤が後ろに傾くと、股関節のおわんのかぶりが浅くなってしまい、一つの場所にかかる負担が増していきます。
シミュレーションの結果、骨盤の後傾した姿勢は、よい姿勢に比べて平均でおよそ2割も股関節への負担が増すことがわかりました。
さらに加齢とともに背中がまがる場合も、それを補うために骨盤が後ろに傾いていきます。バランスを取れるうちはいいのですが、もう傾けないほどの状態になると、一気にバランスが崩れ「姿勢の異常」とよべる状態になってしまいます。こうした姿勢の悪化が原因で、股関節の病気を発症するケースが増えているというのです。

痛み軽減の秘策は貧乏ゆすり!?
負担のかかる場所だけに、痛みが出ると対策が難しいのも股関節の特徴です。
そんな中意外な治療法で成果をあげてきた病院があります。
その治療法とは何と「貧乏ゆすり」!
手術後のリハビリの一環として導入したところ、およそ6割で軟骨の生成を促す効果がみられたといいます。
久留米市の主婦Cさんは、手術をせず、貧乏ゆすりと負担をかけない生活の見直しだけで、痛みの改善に取り組んできました。その結果、本人が感じる痛みが軽減されただけでなく、4年前と比べると関節の隙間がしっかりと開き、軟骨ができてきたことも確認されました。
貧乏ゆすりのメカニズムとその他運動療法の紹介は今回のお役立ち情報で!

今回のお役立ち情報
貧乏ゆすりで痛み軽減股関節周辺の筋肉をゆるめた状態で、継続的に動かすと、血流がよくなり痛みが軽減します。
このことで、軟骨に栄養が供給されやすくなり、結果的に軟骨が生成されると考えられています。
マウスの実験では、実際に軟骨が再生することが確かめられています。

やり方は
座った状態で、つま先を床につけたまま、かかとを上下に動かす(いわゆる貧乏ゆすり)


座った状態で、足を左右に大きく開いて閉じる動きを繰り返す
などがよいと考えられています。
1. 2. ともできる限りたくさん行ってください。
何かをしながら気楽にやってみてください。
※万が一痛みが出た場合は、中止してください。
姿勢をよくする予防法特に高齢になると、知らず知らず姿勢が悪くなりがちです。
そこで、なるべくよい姿勢を保てるよう骨盤周りの筋肉をよく動かす習慣をつけておくことが大切です。
そのために有効なのが骨盤おこし体操です。

いすに座って、腰を丸めた状態から、おへそを斜め上方30度の方向に動かす
反りすぎると腰に負担がかかるため、おなかに力を入れて行うのがポイントです。
これを1分ほどの間、繰り返す。

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股関節の痛み 大腰筋、生活の中で鍛えて予防  朝日 1月23日 

 健康のために歩いたり、走ったりする人が増えている。昨年の朝日新聞世論調査でも、ウオーキングやジョギングは、「現在しているスポーツ」のトップ3に入った。だが、がんばりすぎて足の付け根(股関節)を痛めてしまう人も多いようだ。

 福岡大医学部の内藤正俊教授(股関節外科)は、「痛みが出たら、まず回数や時間を減らして」と話す。しばらく休んで治まる場合は、痛みのない程度にセルフコントロールしながら運動を続けてかまわないという。

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 どうしても痛い場合は、過度な運動が原因で、大腿(だいたい)骨と、骨盤側で大腿骨の受け皿になる部分(臼蓋<きゅうがい>)がぶつかって痛む「大腿骨臼蓋インピンジメント」の可能性がある。最近、注目されている症状で、内視鏡を使って骨を削る手術で改善するそうだ。

 関節の痛みの多くは加齢で軟骨がすり減ったり、骨格がずれたりして、近くを通る神経が圧迫されるのが原因だ。筑波大の久野譜也教授は「歩いたり、走ったりする有酸素運動の健康効果は確かにあるが、股関節の軟骨をより多くすり減らす側面もある」と警告する。基本的に軟骨は再生しないため、筋肉を鍛えて骨格を維持するのが適切な痛み予防だという。

 だれでも30代以降は加齢とともに筋肉は減る。特に、股関節を支える筋肉の一つで、大腿骨と背骨をつなぐ大腰筋は、ほかの筋肉よりも減りが早い。歩くときに最も働くのが大腰筋でもあるので、この筋肉を鍛えて、少しでも減少を食い止めておくことは、将来の寝たきりを防ぐ対策にもなる。 
 
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 筋トレは、何歳で始めても一定の効果が上がるといわれる。久野さんらが、70歳以上の高齢者12人に、週5日の軽いトレーニングを3カ月続けてもらったところ、大腰筋を含む足の筋肉量の増加が確かめられた。一方、60代、70代の計21人が1日30分、週5回のウオーキングを12週間行った研究では下肢の筋肉量は増えなかった。

 「歩いたり、走ったりと筋トレの組み合わせが重要。筋肉が増えれば代謝が上がってダイエット効果も上がるしランニングのタイムも速くなる。一石二鳥以上の効用です」と久野さんは話す。きちんと効果を出すには長く続けることが重要だ。「一生続けるつもりで日常生活に負担のないトレーニングから始めよう」と久野さん。

 例えば、椅子に浅く腰掛けた状態から、片足ずつひざを伸ばしたり、ももを上げたりする筋トレなら、家庭でテレビを見ながら取り組める。1日おき、週3回から始め、慣れてきたら週5回まで増やせばいいそうだ。久野さんによると、「わざわざ時間を取るのではなく、生活の中に組み込んでしまうのがコツだ」という。

◆相談ナビ

 久野さんの著書「股関節の痛みをとると健康になる」(PHP研究所)は、具体的な筋トレの方法やポイントなどを紹介している。また、東日本大震災福島県伊達市仮設住宅に避難中の住民らは、久野さんや筑波大などの支援を受けた「健康づくりプログラム」を実践中だ。