「ひとりごと・健康通信」をふりかえって (15) 2021/9/5  「歩く」

もう10年も前から、数人の人に「ひとりごと・健康通信」などというのを書いてきたが、そんな記事を振り返りながら、この10年で健康に対する考えや生活がどう変わってきたか・・書いたものを整理したり、付け加えたりしながら書いています。

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「歩く」 2012年10月27日 

NHKの朝の番組特集です。長くなるのではじめの「美と健康・・」はタイトルと要点の一部だけにしましたが、家や駅などの「階段の上り下り」が大変いい運動になっているようです。

私も「平地を速く歩くよりも、できるだけ坂道を見つけてゆっくり上り下りするようにしています。毎月行く6階のユニクロまで息を切らしながら登りますが、その時の体調を知る手がかりにもなります。

日々生活に取り入れて柔軟や筋トレもやっていますが、買物や外出は精神的にもいいのと、階段や坂道を歩くようにして、平地でも「つまさき」を意識して歩いていましたが、今回の「浮き指 徹底対処法」を見てさらに進化させて、いまは「足の5本指で土をつかむように意識して歩く」のが、骨盤や背筋を伸ばすことにもつながるという・・私独自の発見です。

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美と健康!女の正しい歩き方  NHK あさイチ 2012年10月9日(火)

あさイチサポーターのアンケートでも3割以上の方が、効果が出ないと悩み挫折してしまうウオーキング
最新の研究で、一日24時間の活動の中で、「4メッツ30分」の歩行があれば、メタボ予防につながるということがわかりました。
「メッツ」とは酸素摂取量をもとに算出される「活動の強さ」の指標。1メッツは安静時、4メッツは時速6キロほどの早歩きに相当します。

日常生活の4メッツを探す
「4メッツウオーキング」の効果は、ウオーキング以外の日常の生活の中にも隠されています。
活動量計で測定された1日の活動グラフを読み解くと、主婦の1日の活動のうち、階段の上り下りが6メッツを記録していることがわかりました。

活動量を上げるポイント
上半身・下半身が連動した全身運動は高い活動量を記録します。
モップがけ、調理などは、下半身の動きが弱いので、2~3メッツ程度です。
縄跳びなど、ジャンプする運動は、10メッツ程度記録するといわれています。

注意 必要なメッツの値は、年齢によって異なります。

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40代から注意!ロコモティブシンドローム  NHK あさイチ 2012年10月1日(月)

専門家ゲスト:大江隆史さん(整形外科医)、武田淳也さん(整形外科医、ピラティス指導者)

加齢や生活習慣が原因で足腰の機能が衰える「ロコモティブシンドローム」。 
進行すると介護が必要になる可能性が高いとされていますが、何となく「高齢になってから心配になること」だと思っていませんか?実は、初期症状は40代から始まる人が多いのです。骨・関節・筋肉の機能は40代に大きな曲がり角を迎えます。女性ホルモンの分泌が減り、骨が弱り始めたり、体を支える筋力が衰えたり、ひざの関節がすり減ったり・・・。そこで今回は40代からのロコモティブシンドローム対策をご紹介しました。ひざを守る姿勢、転びにくい筋肉を作る運動、足腰の衰えが気になる人にぴったりの食材などなどたっぷりお見せします。また、骨の中の「コラーゲンの衰え」、レントゲンではわからない膝(ひざ)のごく初期の変性など、最新医療情報もお伝えしました。

ロコモティブシンドロームとは
ロコモティブシンドロームとは、運動器官の障害によって日常生活で人や道具の助けが必要な状態、またはその一歩手前の状態をいいます。
運動器官とは筋肉、関節、骨などの人が移動するために使う器官のこと。筋力が低下したり、関節に疾患を持っていたり、骨粗しょう症などで骨がもろくなっていたりすると運動機能が低下し、日常生活に支障が出てしまいます。その兆候が、実は40代から始まっているのです。

筋力の衰えをチェック
40代は筋力の衰えが顕著に表れ始めます。頭では若いと思っていても、筋肉は想像以上に衰えており、そのギャップが思わぬ事故を引き起こします。特に下肢の筋力は早くから衰えが始まり、転倒事故を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
まずは自分の足腰の筋力がどれくらいなのか把握しましょう。番組では、2つのテスト方法を紹介しました。

※どちらのテストも滑りにくい床の上で転倒に注意しながらまた誰かに見守ってもらいながら取り組んで下さい。

(1)立ち上がりテスト
ももの大たい四頭筋など、脚力をチェックします。
1.下記のとおり、年代に合った高さのイスや台を準備して座ります。(※安定感の高いものを使用して下さい)
2.腕を前に組み、片足(または両足)で勢いをつけずに立ち上がります。
3.バランスを崩さずに立ち上がることができればOKです。

【台の高さ】
<片足で立ち上がる>
10代・・・10センチ
20代・・・20センチ
30代・・・30センチ
40代~50代・・・40センチ
<両足で立ち上がる>
60代・・・10センチ
70代・・・20センチ
80代・・・30センチ
90代・・・40センチ

(2)2ステップテスト
筋力、バランス能力、柔軟性など、総合的な歩行年齢を測る。
1.スタートラインを決め、バランスを崩さない範囲でできる限り大股で連続して2歩歩きます。※ジャンプはしないで下さい。
2.2歩目で両足をそろえます。
3.(スタートラインのつま先から着地点のつま先までの)2歩分の歩幅を測定します。 
4.2歩分の歩幅を身長で割り、2ステップ値を算出します。
5.2ステップ値を以下の表に当てはめると歩行年齢がわかります。

例)2歩分の歩幅が200センチで身長155センチの場合
200÷155=1.29
1.29→歩行年齢65~69歳に相当

【2ステップ値と歩行年齢】
1.67以上・・・20代
1.60~1.66・・・30~34歳
1.53~1.59・・・35~39歳
1.50~1.52・・・40~44歳
1.47~1.49・・・45~49歳
1.45~1.46・・・50~54歳
1.42~1.44・・・55~59歳
1.35~1.41・・・60~64歳
1.27~1.34・・・65~69歳
1.10~1.26・・・70代
1.00~1.09・・・80代
1.00未満・・・90代


下肢の筋力アップに大股歩き
脚力や歩行年齢が実年齢より高い!そんなあなたは今すぐ筋力トレーニングを。とはいえ、筋トレの時間を作って続けるのって難しいですよね。そこでお勧めしたいのが、いつものちょっとしたお散歩やお出かけの中でできる「ランジウォーク」。足腰の筋肉を意識して大股で歩くだけで立派な筋トレになっちゃいます。方法は以下の通り。
1.できるだけ大股で前に踏み出す。
2.ももが地面と水平になるくらいに腰を深く下げる。
3.上半身は倒さず、垂直に。そしてさらにもう一歩。
☆1日20メートルくらいをこの方法で歩けばOK。
※転倒に注意して取り組んで下さい。また、足腰に痛みや疾患のある方は医師に相談の上、行って下さい。

ヒザの関節の異変に注意
推計2000万人とも言われるロコモティブシンドロームの代表的な関節疾患「変形性膝関節症」。ゆっくり進行するため、重症になってから病院を訪れる人も少なくありません。特に女性は男性よりもり患率が高く、人によっては40代からその兆候が現れるといいます。
具体的にはこんな時に膝の不調、違和感を感じたら注意。変形性膝関節症の典型的な初期症状です。
1.動き始めのとき
2.正座するとき
3.階段を下りるとき
4.長時間立ちっぱなしのとき

最新の軟骨分析方法「T2マッピング
X線写真では発見できなかった初期の膝の軟骨の異変を捉える技術も紹介しました。MRIを使って、ひざの軟骨のコラーゲンや水分の状態を測定し、軟骨の質の変化を見つける「T2マッピング」という技術です。
番組では、T2マッピングをいち早く導入している帝京大学ちば総合医療センターを紹介しました。現在、全国で普及が進みつつありますが、まだまだこの検査方法を採り入れている病院はわずかです。まずはお近くの整形外科にご相談下さい。X線写真で異常が見つからず、なお自覚症状がある場合に有効な検査方法です。

関節に優しい姿勢と日常動作
 膝の関節を守るためには、日常の姿勢や動き方が大切です。そのポイントを、ピラティス指導者でもある整形外科医・武田淳也さんに教えてもらいました。
 
正しい姿勢を作る
姿勢は、しっかりと骨盤を立て背筋を伸ばすことで上半身が安定し、下半身への負担が軽減できます。良い姿勢を作る方法は・・・。
1.恥骨に両手の中指を当て、左右の腰骨にそれぞれの手のひらの付け根を合わせます。
2.両手で作った3角形を、床から垂直になるようにしましょう。
(特にO脚の女性は、反り腰気味で骨盤が前に傾いていることが多いといいます)
3.骨盤の角度を整えたら、尾骨は床に、つむじは天井に向けるように背骨を伸ばします。 
 
歩き方のポイント
膝と足の人差し指の向きが正面を向くようにしましょう。良い姿勢を意識して上半身をしっかり安定させて歩きます。
 
階段の下り方 
下りる方の膝に負担がかからないよう、後ろ足でしっかり体重を支えながら下りましょう。
 
階段の上り方
一段一段、足の裏がしっかり乗るように段の奥まで足を置きましょう。足を浅く乗せると、体を持ち上げる時に膝が曲がり過ぎて負荷がかかってしまいます。
 
 
隠れた骨粗しょう症!?
骨の強度が衰える「骨租しょう症」。骨折の原因ともなる、ロコモティブシンドロームの中でも特に女性が注意すべき疾患です。
最近の研究では、“骨密度が高くても”骨粗しょう症の人がいることがわかってきました。
骨の成分はおよそ半分がカルシウムなどのミネラル。これが骨密度で表されます。
そしてもう半分は「コラーゲン」です。
ミネラル分が少なくなるだけでなく、コラーゲンの質が劣化することでも、骨のしなやかさが失われ、骨折しやすい状態になってしまいます。骨のコラーゲンの状態を「骨質」といい、骨粗しょう症のうち半分近くが「骨質劣化型」であることが判ってきました。
 【骨粗しょう症の内訳(閉経後の女性)】(東京慈恵会医科大学 斎藤充 調べ)
・骨質劣化型・・・30パーセント
・低骨密度+骨質劣化型・・・18パーセント
・低骨密度型・・・52パーセント
 
こうした骨密度の低下や骨質の劣化は40代の半ばくらいから始まると言われます。40代になったら一度は骨密度検査を受診し、低下がみられたら専門家の指導を受け、早めの対処を心がけましょう。
 ※骨質についてはまだ研究の段階で、外来や健診などで測定することはできません。
 
 ロコモ対策のスーパー食材「レバー」
レバーは、人の身体に吸収されやすい良質なたんぱく質が筋肉を作り、豊富なビタミンB群や鉄分がコラーゲンの生成を助けてくれるロコモ対策にぴったりの食材です。
 
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足の隠れトラブル!『浮き指』徹底対処法 NHK あさイチ 2012年10月23日(火)
 専門家ゲスト:高尾昌人さん(帝京大学スポーツ医科学センター 教授)
 
秋はオシャレの季節。パンプスやブーツで街に繰り出す女性も多いかと思いますが、そんなときに気をつけてほしいのが足の隠れトラブル「浮き指」です。
オシャレに気をとられ、きついパンプスやゆる~いブーツなど、足に合わない靴を履き続けると、指が地面につかなくなる「浮き指」となり、体のバランスが崩れる結果、ひざを痛めたり、腰痛になったりと、思わぬ不調につながる可能性があります。
そこで、今回は、「浮き指」についての対処法をご紹介。自己チェック法から、改善のためのストレッチやエクササイズ、さらに、浮き指の原因となっている靴の調整法まで、スゴ技をお送りしました。
 
キャッチ
浮き指の原因とされている、足に合わない靴。光ファイバーセンサーを使って、靴の中の足の状態をCG化しました。きついパンプスの場合、左右から押し上げられて中指と人さし指が浮いていました。ゆるいブーツの場合、脱げそうになるのを押さえようと、指全体が浮いていました。この状態が続くと、筋肉が伸びきって浮き指になってしまいます。
 
実験協力 創価大学 工学部
 
浮き指 自己チェック法
浮き指かどうかを、自分で見分けるチェック法を2つご紹介しました。両方にあてはまる人は、浮き指の可能性が高いと言えます。
浮き指は病気とは認知されていませんが、きちんと5本の指が接地しないために体のバランスが崩れ、その結果、ひざや腰の痛みにつながる恐れがあります。
自分でチェックし、今回ご紹介する対処法に基づいて体操などを続けると、改善が期待できます。
1.足の指の背(上から見える側)にタコができている。
2.体育座りになって、つま先を上げ、足の裏で何かつかむようにぎゅっと力を入れて指を丸める。丸めた時に、足の幅の一番広いところに、「つぶつぶ」の形に骨が出て見えるかどうかをチェック。
足の下側にある指を曲げる筋肉が弱まってゆるんだゴムのようになっていると、しっかりと指を丸められないため、骨が浮き出ず、「つぶつぶ」が見えません。
※骨が見えにくい場合には、上から触ってみて、つぶつぶが感じられるかどうかで判断します。
 
取材協力
石川沙樹さん(ロート製薬スマートキャンプサロン フットストレスラボ ピラティス/トレーナー)
住所:東京都港区芝1-7-5 ロート東京ビル7F
電話:03-5442-6095
 

浮き指の対処法1 足指の筋肉を回復させるストレッチ
浮き指は、足の指を曲げる筋肉が弱くなることで起こります。そこで、浮き指を改善するには、その筋肉を鍛えることが重要です。
まず、筋肉への刺激が起こりやすくするために、筋肉の緊張をとるストレッチをするのがおすすめです。
1.足の指を広げて、手の指を、足の甲から足裏に向けて、足の指の間に挟むように入れます。
2.手の指を握り込むようにすると、足の指もつられて丸まります。
※ストレッチは毎日5回を目安にしてください。
※痛みを感じる場合は、浅めに手の指を入れたり、回数を減らして始め、徐々に負荷をかけていくようにしてください。
 
取材協力 高尾昌人さん(帝京大学 スポーツ医科学センター教授 医学博士)
 

浮き指の対処法2 足の筋肉を鍛えるエクササイズ
 対処法1でご紹介したストレッチは、いわば準備運動。そのあと、本格的なエクササイズに入ります。
 
タオルギャザー
1.温泉タオルくらいの大きさのタオルを用意します。
2.足の指で、手前からタオルを手繰り寄せていきます。足指の付け根の関節を深く曲げる意識でするのがお勧めです。
3.タオルの端まで手繰り寄せて1回のエクササイズは終了。両足1回ずつ行います。
※タオルギャザーで指の動かし方やエクササイズの量を覚えたら、タオルを使わない 「エアタオルギャザー」をすると効果がさらに高まります。
 
グーチョキパー運動
グー、チョキ、パーのうち、浮き指に最も効果があるのは、チョキの形です。残りの指と逆方向に親指を曲げるため、指の一番根元の関節を曲げる筋肉をより強い力で働かせなくてはならないためです。
 
1.まず、足の指全体を丸めてグーの形を作ります。
2.親指だけを立て、チョキにします
3.足全体を床につけ、指を横に広げてパーにします。
※両足、グーチョキパーをそれぞれ20回ずつ行います。
※頻度は2日に1回が一番効果があがると高尾先生は考えています。
※グーはへん平足の改善や予防、パーは足の指全体が広がるため、外反ぼしの改善や予防にも効果が期待できます。
 
取材協力 高尾昌人さん(帝京大学 スポーツ医科学センター教授 医学博士)
 

浮き指の原因となる靴を直す
靴をフィットさせるのに最も重要なのは、足の一番幅の太い部分よりも土踏まず側の細い部分(「ウエスト」)です。ところが、パンプスは甲を覆う部分がないため、足の「ウエスト」で靴をフィットさせることができません。そのため、履き口からつま先にかけての部分でフィットさせます。
つま先部分がきついと、左右から指が締め付けられるため、浮き指になりやすくなります。
一方、長く履いていると、足の一番幅広のところに合わせて革が広がり、足がどんどんつま先の方にすべり落ちてしまいます。その結果、指が靴に押しつけられて圧迫されるため、この場合も浮き指になりやすくなります。
対策としては、インソールを入れて足が前にすべらないように調節します。
インソールは、かかとが脱げないように、かかとと土踏まずの間をカットし、さらに、つま先側は、フィットしつつも指が靴に押しつけられすぎないように、指の腹の部分から先をカットします。
また、足の甲に巻くシューズベルトを使うと、足が前にずれるのを防ぐ効果が高まります。
※パンプスや足の指の形により、つま先側をカットする必要があるかどうか、またカットする場合もどこまでカットするかが変わってきます。
フィットしながらも指が圧迫されない位置をご自分でご調整ください。
※ブーツの場合も、「ウエスト」の部分がブーツの甲とフィットするのがポイントです。かかとは脱げにくいので、かかとはカットしなくて大丈夫です。
※スニーカーは、つま先をあげた状態で、「ウエスト」がフィットするようにひもを結びます。インソールのカットの仕方は、パンプスと同様です。